日本国内の消費電力を、全て 太陽光発電で発電するには?
先に、結論を書いてみます。
日本国内で消費される電力量を、太陽光発電だけで発電するためには、
最低でも 1万400㎢ ~ 1万6700㎢ の 敷地面積が必要。
これは、日本の国土面積の 3~4%に相当する。
では、上記の結論に至る 計算過程です。
① 日本の年間消費電力量は、1兆kWh
これは電気事業連合のHPに記されています。
② どのぐらいの 面積 で、どのぐらい 発電 できるのか?
以下の 3つの メガソーラー発電所を参考にしてみます。
・北海道釧路町のメガソーラー
163.2万㎡ で 10550万kWh/年
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1709/08/news026.html
50万㎡ で 4800万kWh/年
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/091209132/
・ソフトバンク広島世羅ソーラーパーク
9.9万㎡ で 597万kWh/年
http://www.sbenergy.co.jp/ja/news/pdf/press_20170228_01.pdf
③ 1兆kWh を 発電するための面積は ?
例に挙げた3つのメガソーラーでは、環境や緯度も異なりますから
面積当たりの発電効率には差がありますが、
1k㎡ =100万㎡ ですから、
1km四方の敷地面積で6000~9600万kWh/年 となることが分かります。
よって、1兆kWh 発電するためには 10400㎢ ~ 16700㎢ 必要。
もっと単純に考えると
「福島県いわき市メガソーラー = 4800万 kWh/年」なので、
「福島県いわき市MSの 2万800倍 = 1兆 kWh/年」
④ 日本の国土面積は 38万 k㎡
1万400㎢ ~ 1万6700㎢ とは、日本の国土面積の 約 3~4%に相当します。
別の表現をすると、【東京+神奈川+埼玉+千葉 の合計面積】 をソーラー発電所に
しなければ、日本の消費電力を賄えない ということです。
※ 雨天 や 夜間 の 電力消費ついて
日本の国土面積の 約 3~4% を ソーラー発電所とすれば、1年間で 1兆kWhの電力を発電できますが、それを適切に蓄電できなければ、夜間などに使用できません。
蓄電方法には様々な手法がありますが、コスト, 広大な敷地, 蓄電効率など のデメリットもありますし、梅雨の時期などでは、継続して発電量が低下してしまいます。
いずれにせよ、日によって発電量に大きな波がある太陽光発電所では、火力発電所等に取って代わることはできません。
経済産業省 や NEDO の試算のように、2050年で国内の1割程度が、現実的な目標というところでしょう。
なお、水力発電、風力発電などを含めた再生可能エネルギー発電全体では、2030年の目標が 22~24% らしいです。
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy_environment/saisei_dounyu/pdf/001_03_00.pdf
http://www.nedo.go.jp/content/100080327.pdf